クルマの行く末

エンジニア秀がクルマ業界動向や技術、スタイリング、マーケティングなどを分析とともに書いていくブログ

高齢者のペダル踏み間違い事故に実刑判決

高齢者によるペダル踏み間違い事故についての地裁判決で、実刑判決が出ました。
昨年12月に埼玉県さいたま市浦和区内でペダル踏み間違え事故を起こし、路肩を歩いていた15歳の女子高校生を死亡させたとして、過失致死の罪に問われた81歳の男に対する判決公判が16日、さいたま地裁で開かれた。裁判所は禁錮1年6か月の実刑を命じている。

問題の事故は2015年12月23日の午後2時35分ごろ発生している。さいたま市浦和区東高砂町付近の市道(片側1車線の直線区間)を走行していた乗用車は信号待ち車列の最後部に位置していたクルマの側面に接触。回避しようと急ハンドルを切ったことで道路左側の路肩へ進入するとともに、前方を歩いていた15歳の女子高校生に衝突した。

運転していた同区内に在住する80歳(当時)の男は衝突後もブレーキと間違えてアクセルを踏み続けており、高校生はクルマと金属製ポールの間に体を挟まれて胸部などを強打したことが原因で死亡。警察は男を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)の現行犯で逮捕し、検察は罪状を過失致死に切り替えて起訴している。
この事故については、予備知識も無いので具体的内容に触れるつもりはありません。

また、人の命を奪った交通事故を起こした運転車に対する判決として、年齢に関係なく責任に対する厳しい処遇が言い渡されるのは、法治国家として何ら不思議なものではないと思います。

運転操作不適は高齢になると増えるという事実

さて、高齢者によるペダル踏み間違え事故が大きく取り上げられていますが、本当に高齢者になると増えるのでしょうか。

下のグラフは、警察庁の「平成27年における交通事故の発生状況」(リンク)から、「ペダル踏み間違え」が含まれる「運転操作不適」の10万件当たり事故件数を、年齢別に示したものです。
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このデータを見ると、35歳から69歳までは30件前後で推移しているのに対し、70歳から高齢になるに連れて事故件数が増加していく、と言うことです。 

一方で85歳以上の起こす事故件数より、24歳以下が起こす件数が多いことも読み取れます。19歳以下はダントツに多いです。まだ、クルマの運転に慣れてない世代なので、急な走行状況変化に対応できていないのだと思います。

では事故全体に対する比率を見るとどうでしょうか。
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こちらで見ると、85歳以上が全年齢でトップ。19歳以下は、件数ではトップでしたが、比率では下がりました。

他の法令違反による事故形態を見ると、25歳以下は漫然運転脇見運転安全不確認など、注意散漫に起因する事故が多いので、相対的に運転操作不適の比率が低くなっています。

70歳以上では、それらの注意散漫な運転による事故が少ない分、相対的にペダル踏み間違いなど運転操作不適の比率が高い、と言えます。

結論:若者・高齢者も高リスクだが、自分たちも起こすかもしれない

さて、上記のニュースや、これらのデータから言える事は
  • 高齢者は運転操作不適が多いが、若者(25歳以下)も同じぐらいのリスク
  • でも、70歳ぐらいから運転操作ミスが増えるのは事実。
  • 高齢者であろうと若者であろうと、事故を起こした時の責任は変わらない
  • 30代、40代は事故は少ないが、高齢者の1/2ぐらいの確率で起こしている。
 ということでしょうか。

事実に基づいて自分の認識を正しくすることはもちろん、自分の周囲、特に親族にも同じ認識を持ってもらうこと。そして事故が起きたときの判例についても、認識してもらうことが必要かと思います。

HUDWAY GLASS

スマホカーナビの進化形

気になってるんですよね。スマホの画面を反射させて、ヘッドアップディスプレイ(以下、略してHUD)として使うタイプのカーナビ。
株式会社ナビタイムジャパンは、2016年9月16日(金)より、HUDWAY LLC.のHUD(ヘッドアップディスプレイ)『HUDWAY GLASS』と、本格カーナビアプリ『カーナビタイム』の6ヶ月無料利用パスをセットにした、『HUDWAY GLASS×カーナビタイム』の販売を開始いたします。

 『HUDWAY GLASS』は、車のダッシュボードに設置し、スマートフォンを置くだけで、スマートフォンの画面を鏡のように映し、HUDとして利用できる製品です。スマートフォンの画面より、約1.2倍に拡大され、さらに透過性のある画面でドライバーの前方の視界を妨げることがないため、目線の移動を最小限にし、より安全にカーナビアプリをご利用になれます。
参照記事:株式会社ナビタイムジャパン プレスリリース 2016年9月5日
このナビタイムのスマホカーナビAppと、反射板キットとのパッケージ価格は、11500円(税抜き)。amazonや楽天等で購入できます。

2015年10月にクラウドファンディングでスタート

このHUDWAY Glassですが、昨年の2015年10月9日にクラウドファンディングサイト、Kickstarterで購入希望の募集がスタートしたプロジェクトです。
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このHUDWAY Glassは目標応募額$10,000でスタートしたところ、開始1ヶ月で9095人もの応募者(購入希望者や投資家)から $622,785(約7000万円) も集まった、かなりの注目プロジェクトでした。

目標の62倍も資金が集まるなんて、みんなやっぱりこういうナビが欲しかったんでしょうね-。
外部リンク:Kickstarter HUDWAY Glass

便利そうだけど、たぶん見づらいと思う。これは。

でもナビタイムの写真をよく見ると、ちょっと使いづらいと感じます。

反射板に地図を写しているんですが、その地図の映りがかなり薄いです。向こう側が透けて見えるようにしているので仕方ないですけど、これでは走行している間は細かい地図は読み取れないと思います。

走っている間は常に景色や道路が動いて見えるので、そこに重なってる地図はじっくり見ていても読みにくいですよね。運転中は、そんな見ていられないですし。
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Kickstartrの画面(上の上の写真)を見ると、単純な道路形状と曲がるポイントまでの距離、現在時速ぐらいしか表示していません。

マツダの純正装備にあるHUD(下記写真)も、比較的単純な記号や数字しか表示していません。やっぱり、それが見やすさと透過性を両立させる限界なのかもしれません。
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単純に車両信号を表示するHUDもあるけど

スマホを使わずに、車両信号をOBD2端子から取り出して、速度とか時刻を表示するタイプもHUDも売られています。でも、ちょっと安っぽい感じですね。
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まだ発展途上だけど有望なガジェット

と言うわけで、現在出ている後付けタイプのHUDは、そのままではまだ使いにくいと思います。

でもYahoo!カーナビや、トヨタのTCスマホナビの追加デバイスとして、例えばBluetooth通信で曲がるポイントと距離を補助的に表示するとか、スマホカメラを環境認識カメラとして使って速度標識や前車との車間距離を表示するとか、将来性はあると思います。

この反射パネルだけ利用して、なんか汎用的な拡張デバイスが出ないかなー、と期待しています。

保険業界がやっと適用

交通事故が減ると期待されて、その事故低減効果も立証されてきている自動ブレーキ(正確には衝突被害軽減ブレーキ)について、損害保険料算出機構なる団体が保険料率への反映を発表しました。
損害保険料率算出機構は、自動車保険の参考純率を改定、保険会社が「衝突被害軽減ブレーキ」(自動ブレーキ)の装着の有無による保険料割引制度を導入できるようにすると発表した。
その適用ですが、2018年1月以降の保険契約において、自動ブレーキ付きのクルマが9%割引になるとのことです。
2018年1月1日以降、自家用普通・小型乗用車の型式別料率クラスを一部改定し、発売後約3年以内の型式を対象に、衝突被害軽減ブレーキの有無によって保険料を区分するため、新たな保険料係数として衝突被害軽減ブレーキ装着を9%割引する。

スバルは61%、ボルボは69%も事故が減ると言っているのに

保険料を9%割引って、、、どうなんでしょう。なんか少なく感じませんか?

スバル(富士重工業)は、今年1月にスバルの予防安全技術アイサイトを装備しているクルマは、装備していないクルマに対し61%も事故が少ないと発表しています。
例えばスバルの代表的な予防安全技術と言えるアイサイトですが、2016年1月26日のニュースリリースによると、アイサイト付きのクルマは付いていないクルマと比べ、事故全体では件数が61%少なくなり、追突事故に限ると84%もの件数が低減されたと報告されています。
過去記事:自動ブレーキでどれだけ事故が減るか
ボルボ車ではスバルよりも高く、69%も減少しています。細かく見ると、追突事故は76.5%、対人事故は58.6%減少。
ボルボは2009年、「衝突回避のために完全に停止するオートブレーキ」の認可を日本で初めて取得。2015年までの7年間で、自動ブレーキを搭載したボルボ車は、非搭載車に比べて「事故発生率が69.0%減少」という結果が出ています。
引用:ボルボ公式サイト 

スバルのように事故件数が61%減ったとしても、もと事故数の全員が保険料請求する訳では無いことは確かです。単純計算だと、事故件数が61%減っても、保険料請求するのはその1/6の人達ぐらいで、支払い保険支出は10%ぐらいしか減らなかったという事でしょうか。

でも対人事故はクルマの事故よりは慰謝料等で支払い保険金は多いでしょうから、ボルボのように対人事故が半分以上減っていれば、保険料は9%よりは減っていそうと思うのが自然かと思います。

せめて賠償保険(他人への支払い)と、車両保険(自車両の修理)それぞれで、どれぐらい差がでるのか等、データを開示して欲しいですよね。

3年後からは事故率に応じた保険料に移行

その9%という割引率は、自動ブレーキを搭載したクルマが発売されてから3年間のみ適用されます。それ以降、そのクルマ毎に事故率、保険料支払いの実績値が出てくるので、それを元に保険料が設定されるとのこと。

実績値に基づいた保険料のほうが自動ブレーキの性能の仕様差が大きく反映されると思うので、高度な自動ブレーキが付いた高い車ほど、9%の一律割引よりも保険料が安くなるかも知れませんね。

長く乗ることを考えると、今後は保険料でモトが取れる?かもしれない自動ブレーキ機能。良いことですが、ますます普及しますね。

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