クルマの行く末

エンジニア秀がクルマ業界動向や技術、スタイリング、マーケティングなどを分析とともに書いていくブログ

2016年07月

Reuters社が、中国企業の駐車場の自動運転ロボット(台車)を開発していることを報道しています
中国深センの会社が、車の下に入り込んで車体を持ち上げて移動し、縦列駐車を行うロボットを開発した。価格は100万元(約1500万円)超で、近く実用化の予定という。

ロボットは「Geta」と名付けられ、地図が入力されたコンピューターに信号を送りながらレーザーの誘導を受け、小さなスペースでも見つけて駐車することができる。
 名前が「下駄」というのが気になりますが、百聞は一見にしかず。Youtubeをご覧あれ。
これが実用化されれば、空港駐車場で空きスペースを探してうろうろすることも無くなるかも。
 
ここまで小型化されていないですが、ドイツ・デュッセルドルフ空港の駐車場では、すでにロボットによる自動駐車が実用化されています。 
駐車場の入り口でクルマを乗り捨て、そして拾うことができるという、ある意味ファーストクラスの扱いなので、料金プランもPremiun Plusコースというお高いコースのようで、一般的な駐車場が1日24.5EURなのに対し、Premium Plusは29EURとなってます。でもスマホAppでクルマを呼び出したりできるようで、忙しいビジネスマンには向いてます。

こんな風に空港駐車場も今後、どんどん自動化されていきそうですね。

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以前より自動運転に取り組んでいるDeNAとヤマト運輸が、自動運転を活用した次世代物流サービスの開発プロジェクト「ロボネコヤマト」を発表しました。(ヤマト運輸のプレスリリース

このプロジェクトで実用実験が行われるのは、
  • オンデマンド配送サービス - お客さまが望む時に望む場所で荷物を受け取ることができる配送サービス(共働き夫婦や一人暮らし向け)
  • 買物代行サービス - 地域の複数商店の商品をインターネット上で購入し一括で運ぶ「オンデマンド配送サービス」(小さな子どもを持つ家庭やお年寄り向け)
という、言わばラスト・ワンマイルの配送サービスです。そこが一番非効率なことは確かであり、佐川急便も雇用コストの高い専業配達員でなく主婦の空き時間を活用した配達に取り組んでいます

ですが、最も早く完全自動運転が導入されるのはこのようなラスト・ワンマイル配送ではなく、私は「拠点間トラック物流」だと予測しています

それは何故か。

なぜなら、拠点間のトラック物流は、乗用車などの走行条件よりも道路環境リスクが小さく、事業者にとってのメリットも大きいからです。

拠点間トラック輸送は定型的でリスクが少ない


拠点間のトラック物流は大型トラックがメインですから、基本的に高速道路や主要国道を走ることが多いです。そのような道路では、自転車や横断歩行者に遭遇するリスクが、配送などをするクルマが走る町中の道路よりも低いこと。そして道幅も広いので運転制御の余裕度も確保することができます。

トラックドライバーのメリットは事業者のデメリット


そして、拠点間の長距離輸送では、ドライバーのニーズと事業者のニーズが相反することが最も大きな理由です。

ドライバーは短い労働時間で多くの稼ぎを得るためにできるだけ速く走ろうとしますが、それは走行時の燃費を悪化させ、事故のリスクを高めます。そして事業者は労働時間の制約があるために、トラックを24時間走らせることが現実的にできません。それはトラックという投資設備の稼働率を上げられず、収益性を高めることができないという最大のデメリットに繋がります。

それが自動運転が実用化されれば、ドライバー労働時間の制約が無くなるので燃費が最大化される速度(70~80km/h)で運行することができるし、トラックの稼働率も劇的に改善されます。トラックの固定費(投資)はそのままに、運送荷物の量は倍増、燃料等の変動費は相対的に抑制できるなど、事業者にとってメリットだらけです。

東京オリンピック以降にトラック物流業界に大変革が来る

東京オリンピックの2020年に向けて、政府として自動運転の実用化、法制化に取り組んでいますが、オリンピック以降にトラック輸送業界で自動運転の波が来ると私は読んでいます。

既存トラック業者は、社内ドライバーの反発や投資規模から自動運転トラックへの切り替えに難航するかもしれません。そうなると、Amazonのようなしがらみの無いIT企業が大型投資とともにトラック子会社を立ち上げて、一気に物流にも乗り込んでくる、という将来像かもしれません。


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もう15年近く、クルマ雑誌のCar Graphicを毎月欠かさず買っています。

Car Graphicでは毎号、巻頭に編集長や欧米のジャーナリストの1ページのコラムが載っているのですが、それがなかなか面白く、毎月楽しんでいます。その編集長のコラムで忘れられない内容が2014年11月号にあったので紹介。 

Car Graphicでは読者との交流イベント「CG Festa」を毎年開催しているのですが、そのFesta会場での編集長と読者との会話です。

編集長が男子大学生の3人組と話した際に、「若者のクルマ離れ」が彼らの現実なのかを聞いてみたところ、
そもそもクルマ離れという言葉がちょっと違うように思います。(中略)クルマ離れってもともとクルマが好きだった人がだんだん興味を失っていくことのように聞こえるんですが、そもそも今の大学生は、はなからクルマにあんまり興味がありません(笑)。僕の場合は、たまたま父がCGを毎月購読していて、TVの前にいつも置いてあったCGを何気なく読み始めたのがクルマを好きになるきっかけでした。
同じ3人組のまた違う大学生に、Festaに来てみての率直な感想を「怒らないから」という前振りをしてみて聞くと、
一番正直な感想は、クルマってこんなに種類があるんだってことです。僕の家も友達の家も、コイツんち(補足;会場に一緒に来た、家にミニ・クロスオーバーがある友人)を除けばほとんどミニバンなんで。今日はいろんなクルマが置いてあって、スポーツカーみたいなやつとか格好良かったです。それに、ミニバンの後ろに乗っていても楽しくないし、父はいつも面倒くさそうに運転しているから(笑)、クルマってそういうもんなんだと思っていました。
それに付け加えて、会場での編集長の身近な友人との会話。
そういえば、会場にわざわざ足を運んでくれた(編集長の)友人は、ポルシェ911(964型)とクラシック・ミニ(いずれもMT)を持っているのだけれど、彼の娘さんは18歳になるとすぐにMT免許を取得したという。「なんでATにしなかったんだ?」と彼が聞くと「ポルシェはきっとダメだけど、ミニなら運転させてもらえると思ったから」と、目を輝かせながら話してくれたそうだ。彼にはもう一人娘さんがいて、家族4人で出かける時はミニを使うという。「もちろん窮屈だけど、なんかみんな楽しそうに乗っているよ(笑)」
このコラムを読んでから、その内容がずっと自分の頭に残っていて、自分が好きなクルマ、クルマ文化をいかに子ども達に伝えていくかをいろいろ考えています。やっぱり、大人(親)がクルマを楽しむことが大事なんだ、ということ。

「クルマって楽しい」という文化を伝える



この先の地球環境、経済、技術の展望を考えると、自分が大好きな「エンジンを回してワインディングロードを駆け抜ける」というクルマ像は過去のものになることは確実なのだけれど、そんなことより「クルマって楽しい」ということを子どもに伝えたい。

だから、色んなクルマが集まる「クルマ好きミーティング」を企画してみたり、ミニバンやスライドドアのクルマは絶対買わない、と勝手に決めてみたりw

便利さに特化していったら、スペースが広くて、ドアの開閉も運転も全部自動で、ステアリングも無くて、もはやクルマで無くていい世界に行き着いてしまう。自分はそんな世界には「No」だし、自分がクルマを操って道を駆ける世界をいつまでも楽しんでいたい。そういう意味では、昔は交通手段であった馬が趣味やスポーツになったように、クルマもそうなるかも知れない。

それでも良いから、クルマで「駆け抜ける喜び」をいつまでも伝えていきたいと思ってます。


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先週末、町中で日産ジュークの2トーンカラーのクルマを見かけました。あまり見かけないカラーリングだったので、調べて見たら去年の11月に発売された特別仕様車だったようです。

ジュークの外形デザインはあまり好きじゃ無いのですが、このカラーリングはセンス良くまとまっていて目を引きました。格好良いな、と思ったぐらい。カラーリングで結構変わるものですね。

さて、そんな2トーンカラーですが、最近、小型車で流行ってます。スズキ スイフトとか
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同じくスズキのハスラー、
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ダイハツ キャスト、
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輸入車ではルノー キャプチャーなどなど。
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日本で流行る前から、ヨーロッパでは小型車を中心にやっぱり流行っていて、トヨタもヴィッツ(現地名ヤリス)で2トーンカラーを出してたりします。日本では設定有りません。
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ダイハツは軽自動車のミラ ココアでインパネ(ダッシュボード)でも2トーンカラーを出していて、注文時に自由に選べるようです。こういうのも楽しくて良いですよね。
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クルマのファストファッション化


最近の2トーンカラーのクルマを紹介してきましたが、この動きって私は「クルマのファストファッション化」ではないかと思ってます。

通常の単色カラーによる新色ではなかなか新しさを出せなくなってきて、商品力の差別化ができないクルマのコモディティ化が進んできた。なので「カラーの組み合わせ」で見た目の新しさを出すと同時に、人とちょっと違うファッション性をクルマに持たせることで「特別感」を演出する、というような。

ベーシックなユニクロやGAPではつまらないから、ちょっとファッション性や遊び心のあるH&MやZARAを選ぶような、と言う意味でファストファッションに近いかと。新しい色の組み合わせを特別仕様車で出しやすいという意味でも、近いですね。

クラウドファンディング形式でカスタマーイン化が進む


この2トーンカラーの採用はさらに広まると思いますが、私はミラ ココアが採用しているような内装のカラーを選べるような仕組みが違う形で広まるのではないかと考えてます。違う形と言うのは、インターネット上で始まっているクラウドファンディングの仕組みを採用して「ある一定数の顧客の注文が集まれば、特別カラーを生産する」という形です。

現在のクルマのカラーはプロダクトアウト、メーカーが考えた色が商品化されますが、それを逆転してカスタマーイン、顧客が欲しい色をインターネット上で受注を募り、規定数集まったら生産する、というビジネスモデル。

私は以前、「クラウドファンディング形式でカスタマイズ用内装部品を販売する」という事業計画書を書いたことがあるのですが、 潜在顧客のアンケート調査をしたところ、幅広い顧客層からポジティブな回答があって内装部品の色を変えることに「意外とニーズがあるんだな」と感じました。

皆さんがスマホのカバーを自由に変えられるように、顧客ニーズがあればフレキシブルにクルマの内外装部品が販売される。そんな風になれば、クルマももっと楽しくなると思ってます。


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世の中、クルマ市場の大きな流れとしてダウンサイジング(小型化)とか、「若者のクルマ離れ」とか言われていますが、ちょっと20年前と比べて正確に何が起きているかを比べてみました。
販売台数比較

上記が20年前の1995年販売台数ランキングと2015年のランキングを比べてみた図です。

これを見ると、
  • 1995年はクラウン、マークIIなど高い、大きい車がトップ10入りしている。
  •  同  マークII、サニー、スプリンターなどセダンタイプが多い。
  •  2015年はアクア、フィット、デミオなど小型のハッチバックが多い。
  •  同  2位以下の販売台数が1位から大きく落ちている。
  •  同  10位中7台がハイブリッド設定有り(もしくはハイブリッドのみ)
ということが言えるかと思います。

つまり、クルマのダウンサイジングは、車体、エンジンと共に小さくなっており、正しい表現だと言えます。

このデータからは購入者の年齢層は分からないので「若者のクルマ離れ」はどうかわかりませんが、全顧客ににおいて「高級車離れ」「セダン離れ」であることは、上記より間違いありません。そして、より燃費良い「ハイブリッド車」を顧客は選ぶようになりました。

その動きの大きな原因はなんなのか。それは実質賃金、つまり現役世代の収入の低下だと私は思っています。

上記は厚生労働省が発表している名目賃金と物価を考慮した実質賃金の推移を示していますが、1996年以降実質賃金は低下の一方です。これは国の統計ですから、「若者」に限った話しでは無く、勤労世代全てを表しています。

つまり全世代で収入が低下しているために、熟年世代でも高級車、大型セダンを買わなくなり、小型で燃費の良いハイブリッド車を買うようになった。そして年代的に収入が少ないであろう若者世代が、クルマを購入する余裕がなくなった、というところが正しい表現ではないでしょうか。

ちなみに「若者のクルマ離れ」は、明らかに熟年世代が「若者」を表現していますが、自分たちの「高級車離れ」は無視している表現になってますよね。そのようなバイアス(偏向)のかかった表現には、注意しないといけないと思います。


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