クルマの行く末

エンジニア秀がクルマ業界動向や技術、スタイリング、マーケティングなどを分析とともに書いていくブログ

2016年11月

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カーナビが付いて無くても楽ちん

今日は、会社のクルマで愛知県に出張に行ってきました。

ですが、借りた社有車にはカーナビが付いてなかったので、自分のiPhone上でYahoo!カーナビを起動して、それを案内役にして出張してきました。

結論から言うと、純正ナビに劣らないぐらいのクォリティで、何の不便も無く行けましたよ!
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ちなみに、Yahoo!カーナビ(リンクはこちら)は、iPhone、Androidのどちらのスマートフォンでも無料でダウンロードできます。ナビ画面にも広告とか出ないし、これで無料なんだー、と感心するレベルです。

取り付けはスマホホルダが必須

スマホの固定は、社有車についていた吸盤タイプのスマホホルダを利用。(下記写真はAmazonより)

インナーミラーの下とか、自分の真ん前じゃなくてちょっと横にずらした位置で、目の高さに合わせて設置すると、視線移動が少なくて安全かも。

試しに手で持ちながら使ってみる、とかは絶対に止めてくださいよ。危険だから。
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案内画面は純正カーナビと遜色無し。

案内画面は、縦画面なのがちょっと違いますが、表示される情報は純正カーナビとほぼ同じ。曲がる交差点までの距離は一番上に表示されていたり、結構見やすいです。
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高速道路での表示もこんな感じ。パーキングエリアのお店のロゴとかも表示されて、「あ、コンビニあるから入るか」と判断できる情報が、地味に便利です。
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横画面はこう。
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音楽はAmazon Musicで!

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道案内の音声は、iPhoneにAUXケーブルをつないで、クルマのスピーカーから聞くことができます。

AUX入力にするとクルマのラジオやオーディオは聞けないので、音楽もiPhone上のiTunes MusicやAmazon Musicで一緒にiPhoneから聞いちゃいましょう。

それだと道案内時には音楽のボリュームが下がって聞きやすくくなります。スマホナビとカーオーディオを別々で使ってると、道案内が音楽に紛れて聞こえなくなっちゃうので、スマホに統一してしまうのが吉です。

先週、Amazon Musicで色々音楽をダウンロードしておいたので、自分が持っていない楽曲も聴けて楽しかった。

結論。純正カーナビ無くても、何も困らない。

以前、「アメリカでは6割の人間がカーナビでなくスマホを使用」という情報を紹介しましたが、そりゃーそうですよね。これだけ便利で、無料で使えるなら、みんな使いますよ。スマホホルダがあれば、どんなクルマでも使えますしね。

ただし、スマホのバッテリーの減りが早いので、長時間使う時は給電用のUSBケーブルが必要になってきます。AUXケーブルと、USBケーブルとちょっとかっこう悪くなっちゃいますが。

Android Autoもスマホ単独で使えるようになったし。

スマホのクルマ接続機能として、Apple iPhoneならCarPlay、Androidなら Android Autoがありますが、なかなか自動車会社の純正ナビや、アフターマーケットの後付け機が対応しないので(特に日本の自動車メーカー、オーディオメーカー)、Googleがしびれを切らしたのかAndroid Autoがスマホ単独での使用が可能になりした。
Googleの自動車向けアプリ「Android Auto」がアップデート! スマートフォン単体でも使用可能に - Autoblog日本版 2016/11/11
こっちも試してみたいですね。でもiPhoneしか持っていないので、Androidスマホを調達してこなくては。。。

というわけで、スマホナビのレビューでした。

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ボルボは駐車中にサービスを受けられる市場実験を実施中

最近、ボルボの話題ばかりですが、今回もボルボです(^^;

10月のパリモーターショーの発表から「Smartが宅配便受け取りボックスになるらしい!」という記事を以前書きましたが、ボルボが同じ取り組みの実証実験を既に始めているそうです。
スウェーデン第二の都市、イエーテボリ。乗用車大手ボルボ・カーの本社があるこの街で、面白い体験をした。ボルボの担当者がスマホを使ってEC(電子商取引)サイトから日用品を購入。そのままボルボ車に乗ってしばらく待っていると、配達員が我々の乗るクルマのトランクを勝手に開け、注文した荷物をそこに置いて何も言わずに立ち去ったのだ。
引用:日経ビジネス 2016/11/24
この事例は、荷物の配送業者との提携ですが、下記の記事は燃料宅配サービスと提携して、停車している間に燃料満タンにしてくれるというサービス。USAサンフランシスコで、実証実験中のようです。

この給油サービスは、宅配よりも地味だけど便利かも!注文しておけば家の駐車場に置いている間に、満タンにしてくれるとか良いですよね!
自動車メーカー、ボルボはスマホのアプリを通じたコンシェルジュサービスの提供をテスト中だ。車のオーナーが旅行中や就寝中に、燃料の配達や洗車の代行、車両のメンテナンスサービスが受けられる。(中略)ボルボはこのサービスの実現に向けて、燃料の宅配サービスを手がける企業Filldと提携した。(中略)
ボルボは現在、このコンシェルジュサービスをサンフランシスコのボルボ車オーナー300人を対象に実験中だ。今後、さらに多様なサービスの追加が予定されている。
引用:Forbes 2016/11/25

そのキーとなるのは、まさに「デジタルキー」としてのスマホ

その元になる技術は、今年2月にボルボが発表した「デジタルキー技術」。来年、2017年に車のメカニカルキーを廃止する世界初の自動車メーカーになる、とボルボが発表しています。
ボルボカーズによると、現在のキーの役割は、スマートフォンに移行。ボルボ車の顧客は、スマートフォンに専用のアプリケーションをダウンロード。スマートフォンを身に着けていれば、ブルートゥースによって接続される「デジタルキー」によって、車両のロック解除やエンジン始動が行われるという。
引用:レスポンス 2016/2/21
このデジタルキー技術って、できることを見てみると、トヨタが11月1日に発表したスマート・キー・ボックス(SKB、スマホとクルマの通信中継機)でできることと同じなんですよね。
過去記事:スマホでトヨタ車の鍵を開けられるようになる
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トヨタ、メルセデス・ベンツ、ボルボなど、大中小色んなメーカーが同じサービスへ一斉に舵を切っています。どんなサービスが実用化されていくか、楽しみです。

でもちょっと気になるのが、スマホそのものやアプリで便利になるのは大歓迎ですが、今後スマホを無くした時や壊れた時の利便性のダメージがますます高くなりそうですね。

スマホを落としたり、盗まれたりしないような対策を個人的に考えておかないと、、、と思うのは、まだ気が早いですね。

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ボルボの安全性

Facebookタイムラインで、出てきたボルボの安全性についての解説。
【もっとも厳しい衝突テスト】
スモールオフセット衝突テストは、立ち木や電柱などとの衝突を想定し運転席側の25%だけをぶつけるテストで、世界でもっとも厳しいとされる衝突テストのひとつ。
米国IIHS(道路安全保険協会)では、2013年からこのテストを実施していますが、ボルボでは事故調査隊によるデータからそのリスクを調査・検証しており、850の世代からスモールオフセット衝突を想定した設計をしてきました。
その結果、テスト開始以来、北米で販売しているすべてのモデルで最高評価となる「トップセーフティピック+」を獲得。ボルボの比類なき安全性の高さが実証されました。
引用: Volvo Car Japan / ボルボ・カー・ジャパン Facebook タイムライン
このボルボが言っていることは、実はとても凄いんですよ。

2013年から始まったスモールオフセット衝突の試験ですが、始まった当初、他のメーカーは軒並み4段階中、最低のPoorか2つめのMarginal評価でした。これって言ってみれば、大学受験でいきなり予告されていない科目の試験が本番であったようなもの。ある意味、準備してなければ良い結果がでなくて当然ですよね。

ですが、ボルボはスウェーデン警察と昔から行っている事故現場調査で、このようなスモールオフセットの事故が多いことに気付いており、その対応をもう25年前からやっていた、ということです。(引用の中のボルボ850というモデルは1991年発表)

いかにボルボが実世界での安全性を重視しているかがよく分かります。

フィヨルド地形は事故が多かった

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以前、ボルボのあるスウェーデンの隣国、ノルウェーを旅行した際にガイドさんに聞いたのですが、ノルウェーでは深刻な交通事故が多かったとのこと。

その理由は
  • 国全体がフィヨルドで、起伏が激しく、道が細くて曲がりくねっている
  • フィヨルドで陸地が分断されているため、フェリーで対岸へ移動することが多い(通勤でも)
  • フェリーは遅れると乗れないので、通勤時間帯はスピード違反が多い
ということ。(現在は、徐々に橋やトンネルが整備されてきて昔より減っているそうです)

確かにフィヨルドの地形は、日本の三陸海岸か伊豆半島みたいに入り組んでいて、山からすぐ海になっています。なので、海岸沿いの道はクネクネした細い山道みたいな道路ばかりです。

そんな山道を「フェリーに間に合わない!乗れないと1時間遅刻だ!」ってな感じで、多くの人がかっ飛ばしていれば、深刻な衝突事故が起きますよね。

ノルウェーとスウェーデンは隣国で、大小の違いはあってもフィヨルドだらけの地形も同じ。深刻な事故が多いという必要に迫られて、ボルボの安全性は築き上げられてきたのだと思います。

ちなみにボルボはひっくり返っても、トナカイにぶつかっても大丈夫

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そんな感じなので、ボルボは谷に落っこちてもクルマがつぶれないようにできています。ごろごろ、ひっくり返っても大丈夫。実際に、ごろごろひっくり返す評価はUSAでは実施されています。(上記はその映像写真)

自動車の技術カンファレンスで聞いた話しでは、トナカイ(体重200~300kg!)にぶつかってもクルマは大丈夫だそうです。やはり北欧の国。トナカイとの衝突とか有るんですね。。。

以上、ボルボの安全性について知っていることを書いてみました。

衝突安全については、過去にも書いていますので、良かったら読んでみてください。
安全なクルマが欲しい時に気にすること3つ
テスラのSUV Model Xは、実は構造的に凄い


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 日産がこんなニュースリリースを出しています。
日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区 社長:カルロス ゴーン)は、11月15~16日、ドイツで開催されたAutomotive Circle International主催の「Doors and Closures in Car Body Engineering 2016」で、新型「セレナ」の「ハンズフリーオートスライドドア」と「デュアルバックドア」の技術がイノベーションアワードで1位に選ばれたと発表しました。
今回7回目となる「Doors and Closures in Car Body Engineering 2016」は、自動車のドア周りの技術をベンチマークし、評価、表彰するもので、2010年より開催されています。
なんかとても素晴らしい賞を取ったことのように見えますが、自分は去年までこのようなカンファレンスを調査する仕事していたので、「なんだかなー」と思ってしまいます。

なぜか。

ヨーロッパ人はドアにこだわらない。

結論は、日本車は機能的にガラパゴス進化しているから、ヨーロッパ人からは「イノベイティブ」に見えるだけ、ということ。

でも、彼らはお金出してそういうクルマを買わない。 それは、日本・ヨーロッパのクルマの販売ランキング見ればよく分かります。

日本では販売台数ランキングのTOP10に3台近く、3列シート&スライドドアのクルマが入りますが、ヨーロッパ全体のランキングでは50位以内に3列シート、スライドドアのクルマが入ってきません。

みんな普通のスイングドアで、2列シートです。日本に輸入されるヨーロッパ車を見ても、スライドドアのクルマなんてほぼ無いですよね。ヨーロッパ人は、そういうクルマに高いお金を出す価値観を持っていないのです。

VWのトゥーランとか3列シートだよ!と言われるかもしれませんが、トゥーランは2014年でランキング70位ぐらいです。ヨーロッパでは全然メジャーじゃない。

カンファレンス自体もこじんまりしたもの。

そして、「イノベーションアワードを受賞した」カンファレンス自体も、別に歴史や権威があるものじゃなくて、その領域の専門(今回はドアの設計領域)の技術者が、各社持ち回りで発表しているスタイルのもの。

そして今のヨーロッパの自動車メーカーの関心事は、CO2規制に対応するための軽量化、軽量化、軽量化、という感じです。なので、素材をアルミやCFRP、樹脂にして軽くしたり、複数車種で共通化して安くしたりという内容が多いです。あとは高級クーペ向けに、こんな難しい設計を実用化しました、的なのですかね。

そこに日本メーカーが「ドアをもう一つ付けて便利にしました!」と言ったら、そりゃー注目されますよ。彼らは新しいアイデアについては寛容ですから。でも自分たちではやらない。 

日産のマーケティング部門は、そんな文化の違いとか、業界と顧客の情報格差を利用して、セレナのドアが世界的に凄い!というイメージを上手くつくりあげようとしているのかもしれません。まあ、事実を並べているので嘘ではないし、それもマーケティング戦略のひとつかも。

そんな裏事情が、見えてきたニュースリリースでした。


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完全自動運転用センサーをTesla自腹で全車に装備

メディアでは大きくフォーカスされていないですが、10月17日にTesla社はかなり思い切った取り組みを発表しています。

10月19日以降に生産される、Model S、Model Xなどの既存モデルの全てに、将来の完全自動運転に対応するための装備(カメラやセンサー)を、Teslaのお金で付けるというものです。
10月19日(米国時間)、テスラは今後生産されるすべてのテスラ車に完全自動運転機能を持つハードウエアを搭載することを発表した。 (中略)

今回発表された(完全自動運転向けの)新型ハードウエアは何が変わったのか。まず外界の状況を認識するカメラの数が従来は1個だったのが、今回8個になった。これにより車の周囲360度、最長250メートルの範囲を認識する。12個の超音波センサーは、従来比2倍の距離までの物体を検知する。また、コンピューターの処理能力は40倍になり、1秒に12兆回の計算を行うのだという。

(記事後半、マスク氏インタビューより)今回の完全自動運転機能の場合は、約8000ドルにまで積み上がっている。一方で、旧型は3000ドルほどだった。
記事引用:東洋経済オンライン 2016/10/22
まだ収益が出ていないTesla社が、さらに収益を悪化させるような事をするのか?

ビッグデータを自ら作り、自動運転ソフトウェアを改善

自動運転で難しいのは、妨害物も少なく走行環境が限定された高速道路よりは、標識も様々で横から何が出てくるか分からない一般道の走行。

人間が運転するにしたって初めての道、初めて訪れる地域では、迷っちゃいますよね。

自動運転ソフトウェアも同じ。あらゆる道を、様々な時間帯で何度も走って、この道はどこに気をつけるなどを覚えていく必要があります。それを自動車メーカーがアメリカ全土を自ら走って検証するのは、時間的にも社員の人数的にもほぼ不可能。

なら、顧客に販売するクルマにカメラを付けてしまえ!と思ったのでしょうね。カメラ8個とスピードセンサー、加速度センサー、GPSからの情報が、常にクルマから自社に送信されてくれば、自動運転ソフトウェアを検証するためのビッグデータを作ることができます。

そして、そのビッグデータで学習させた自動運転ソフトウェアを、今度はクルマにデータ配信して、ソフトの安全性の検証もできてしまうそうです。
当座はハードウエア搭載車を「シャドーモード」の状態にして完全自動運転機能の検証を行う。シャドーモードでは、ハードウエアを動作させながらも実際に車を動かすことはしない。

実際の使用を想定しながら、ソフトウエアが正しく判断して事故を防げたか、あるいは防げなかったかというデータの収集を行う。自動運転の場合のほうがそうでない場合よりも、統計的に有意なレベルで事故率が低くなることを示せるようにする。そうすれば規制当局も懸念を払拭できるだろう。
自動運転における事故率の低下を事実に基づいて提示できれば、顧客の不安も少なくなるでしょうし、訴訟対策や保険にも活用できるのだと思います。

ちなみに、カメラ8個とGPSのデータを蓄積すれば、道路地図データも作れてしまいそうですね。

センサー費用は後から回収

そのように自動運転ソフトウェアを学習させながら改良し、いずれ正式リリースしたら自動運転のオプション価格を設定して、センサー費用を回収するのだと思います。
車を購入するときには2つのオプションがある。8つのカメラを搭載した完全自動運転と、カメラを4つに絞った「エンハンスド・オートパイロット」だ。「エンハンスド」の場合は、従来のオートパイロットにカメラが3つ加わったものというイメージだ。高速道路上の自動運転が可能で車線変更や追い越しなどができる。

やっていることはIT企業そのもの

なんか、Tesla社を見ていると、売っているものはクルマというハードウェアですが、その中で動くソフトウェアや開発して提供するサービスは、もはやIT企業そのもの。

クルマを動かすソフトウェアを自動アップデートするなど、旧来のクルマ会社とは異次元の遺伝子を持っていると言えます。

先日、トヨタがマイクロソフトと、GMがIBMと提携するなどのコネクテッド関連の動きについて書きましたが、自動運転の実用化に関してはTeslaは一足先を行っているような気がします。

これまでの自動車メーカーが、どれだけIT企業寄りのサービスに乗り出して行けるか?トヨタメルセデス・ベンツ、上記のGMは既に発表していますが、他メーカーからもまだまだ出てくるかと思います。どのようなサービス競争が展開されるか、楽しみですね。

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