クルマの行く末

エンジニア秀がクルマ業界動向や技術、スタイリング、マーケティングなどを分析とともに書いていくブログ

カテゴリ: 道路行政

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この週末は大雪らしい

天気予報で、この土日に全国で大雪が降るという予報が出てます。

それに関連して、国土交通省が異例の緊急発表をしています。
  • 北日本から西日本にかけての日本海側を中心に、15日頃にかけて大雪が継続し、猛吹雪となるところがある見込みです。また、14日から15日にかけては、東海や近畿等、西日本から東日本の太平洋側の平野部でも局地的に大雪となるおそれがあります。
  • 大雪や猛吹雪による立ち往生等に警戒が必要です。
  • 不要不急の外出は控えるとともに、やむを得ず運転する場合には、冬用タイヤやチェーンの早めの装着をお願いします。
と言うわけで、皆さんお出かけする際は、交通状況に十分気をつけましょう。
今週末は幕張メッセで東京オートサロンが開催されてますが、自分もどうしようか悩み中です。

この緊急メッセージで、ちょっとおかしいところ。

上記の緊急発表の2ページ目(上記の画像)で、ちょっとおかしいと思う記述が。
【2.過去の大雪における被災事例】
平成28年1月24日から25日にかけての大雪
< 国道8号や県道等で合計200台以上の立ち往生が発生 >
当該地域の各所で圧雪路面によるスタック車両が発生。並行する高速道路の通行止めや気温の上昇による圧雪路面の悪化が重なり、長時間の渋滞が発生。人流・物流に大きな影響を与えました。 

【3.整備局など現場の対応状況】
各現場では、道路交通の確保のため、道路情報の提供や、大規模な立ち往生が発生する前の早い段階の通行止め、集中的な除雪作業、リエゾンの派遣などの対応を24時間体制で行う予定です。 
過去に、道路状況の悪化で大規模な渋滞や立ち往生が発生した。

だから、立ち往生が発生する前に通行止めにする。

おいおい、それはちょっとおかしいでしょう。明らかに原因対策じゃなく、現象対策に走っている。

立ち往生する時点で、交通条例違反

積雪時、凍結時の走行において、基本的に全ての都道府県において交通条例が制定されています。例えば上記の立ち往生が発生した新潟県を見ると、 
都道府県道路交通法施行細則 又は 道路交通規則における
積雪時、凍結時の防滑措置

新潟県道路交通法施行細則 第12条第1号
積雪又は凍結のためすべるおそれのある道路において自動車又は原動機付自転車を運転するときは、次のいずれかに該当するすべり止めの措置を講ずること
イ、駆動輪( 他の車両をけん引するものにあつては、被けん引車の最後軸輪を含む)の全タイヤに鎖等を取り付けること
 ロ、全車輪にすべり止めの性能を有する雪路用タイヤを取り付けること
となっています。

立ち往生するってことは、滑り止めの措置を取れていない訳だから、明らかに条例違反です。

そして、積雪による路面の悪化で進めないクルマは、当然のことながら、動き出したとしても同じ路面では止まれない訳ですよ。

そんな状態で道路上を運転している時点で、安全運転義務違反です。違反点数2点。チーン。

条例違反の検挙を警告すべき

大規模な立ち往生の原因対策としては、降雪時に適切な装備もせずに走行しているクルマを、まず無くすこと。

「早めの装着をお願いします」ではなく、「装備していないクルマのドライバーは検挙されます」というような、正しい告知を強い口調ですべきだと思います。それを聞かず走行しているドライバーは、国土交通省と警察が連携して検挙する。

積雪状況に合わせて適切な装備をして走っているクルマ、ドライバーまで(通行止めで)規制するのは理不尽だと思います。重要な荷物を運んでいるプロドライバーならそういう準備もしているだろうし、していないなら走るべきでは無い。

安全寄りの状況判断をして、運転しましょう

と言うわけで、道路状況、クルマの装備、運転経験、どれかが不安だったら、降雪時には運転しない。

自分の安全と、地域の交通を守るために、気をつけたいと思います。 

最近、高齢者の交通事故のニュースが絶えない。

今月のCar Graphicのコラムに、高齢者の交通事故について述べたこんな内容があった。自動車ジャーナリストの清水和夫氏が書いており、清水氏は国土交通省管轄の「車両安全対策検討会」の委員でもある。
 <運転マナーの向上も必須>
ところで、日本では65歳から前期高齢者、75歳から後期高齢者と言われる。後期高齢者になると免許更新時に返納を勧められる。身体の衰えや認知機能がどうしても低下するので、そういう人が運転するのは危険だと判断されるからだ。(中略 若者もスマホ運転で危険との反例を提示)

また、お年寄りに運転するなというのは、地方都市ではライフラインを絶たれることに等しい。それなら、65歳 以上からボランティア・ケア的な意味で安全運転の実技レッスンを行うべきではないだろうか。強いブレーキを踏ませたり、死角から自転車や歩行者が飛び出してくるリスクを体験させる。お年寄りだけではないが、クルマは走る凶器であり、棺桶であることを認識させるプログラムが必要だろう。
記事引用:Car Graphic 2017年1月号 コラム 
 言われることは最もだし建設的だと思うが、世界最先端の「高齢化社会」を行く日本として、もっと強制力のある施策が必要だと思う。

免許の失効年齢の設定が必要。

例えば、75歳とか80歳で、全ての人が車の運転ができなくなる(将来でてくるであろう完全自動運転車を除き)、とかだ。その根拠は、視野角の狭窄化、反応速度の低下、認知症の危険性など。

もちろん、その閾値は年齢による事故数や、身体の反射速度などをベースに議論して決めるべきである。

こういう話しをすると、当然反論が出てくるだろう。

想定反論①「75歳でも元気なのに一律で禁止するのは無謀だ」

確かにそうだ。では、自動車運転免許が18歳からしか取れないのは、何故か?もっと若くても、交通ルールを理解して、自動車を正しく運転できる人は居るのでは無いか。

若者に禁止して、身体の衰えが明確な高齢者に禁止しない理由は何かあるだろうか。

想定反論②「運転免許を取り上げられたら、地方は生活がなりたたない」

確かにそうで、清水氏も指摘している。

なので、いきなりではなく今から10年後、75歳以上は自動運転レベル4未満のクルマは運転してはいけない、というように移行期間を設ければどうだろうか。それ以降も10年間はタクシー利用券などで、移動を補助する。その後は、全く補助しない。

それぐらいの期間なら、クルマが必須な地域の人は、引っ越す準備が十分にできるだろう。前期高齢者の人やそれ以下の年代も、将来に向けてどこに住むべきか考え始めるだろう。

逆にそのように半ば強制的に移住をさせないと、人口減少社会では社会インフラが成り立たない。2040年には896もの自治体が消滅すると言われている。路線バスだけでなく、電気、ガス、水道、電話も1世帯しかいない集落のためにインフラ維持ができない時代がもうすぐ来る。

その為には「何歳になっても運転できる」という、事故を起こすリスクを無視した判断をさせない社会施策が必要だ。限界集落で単独事故を起こしたらそれこそクルマが「走る棺桶」になってしまう。それが自由で幸せな社会だろうか?

想定反論③「そんな年齢で運転免許を取り上げる国はどこにも無い」

確かにそうだ。でも、日本ほど高齢化が進んだ国は、世界中にどこにもない。

世界の最先端を行く日本は、世界のどこもやっていない施策に取り組まないと、社会問題は解決しない。

想定反論④「あと数年でもっと安全技術は進歩するでしょう?」

確かにそうだ。でも、既に「終のクルマ」を購入した人のクルマの技術は、何年たっても進歩しない。

法律で、年齢によるクルマの買い替えを強制できるだろうか?

今から10年後はもっと高齢化社会

再び清水氏のコラムより。
ここにドキッとするデータがある。警察庁がまとめた平成25年度の運転免許統計によると10年後はベビーブーマー世代が後期高齢者となり、その世代の運転免許を持っている人は現在の3倍に増えるそうだ。
今の状況より、10年後はさらに高齢化が進む。早急に対応を考える必要があると思う。

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画像引用:JIJI.COM

JIJI.COMやasahi.comによると、埼玉、愛知、岐阜県で小型オービス(自動速度取締装置)の導入が進められているようです。
スピード違反の取り締まりを街中の生活道路などどこでも行えるようにするため、愛知県警は今年度中にも小型の自動速度計測装置の運用を始める。埼玉県などで試験運用が始まっているが、本格導入は初めて。子どもたちの通学路を中心に、歩行者を危険にさらす乱暴な運転に目を光らせる。
引用記事:JIJI.COM 2016/10/24
運用を始めた小型オービスは、1人で持ち運びできる可搬式(重量約8キロ)▽車両で運べる半可搬式(同約500キロ)▽道路標識のように支柱を地中に埋める固定式(同約50キロ)――の3種類。価格はいずれも約1千万円で、警察庁が3月末に埼玉、岐阜両県警に各種類1台ずつ計6台を配備した。
 引用記事:asahi.com 2016/5/6
これに関連する内容は8月の古屋圭司衆議院議員の話でも触れましたが、最近導入が進んでいるゾーン30(住宅地や学校周辺等の時速30km/h規制エリア)などでスピードを出して走行する危険運転車を取り締まるために、警察庁が小型オービスを開発していると議員も話していました。

ちなみに生活道路の30km/h制限は、歩行者との衝突時に致死率が大きく変わってくる速度として根拠のある規制です。
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みなさん、「新型オービスで捕まるから」速度を落とすのではなくて、まずは事故を起こさないために、起きても危害を与えないために、安全運転をお願いします。

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ドイツでは2030年にエンジン車の販売は無くなる?

参照記事:脱原発に続いてガソリン車「廃絶」へ!? ドイツの政策は矛盾だらけ 現代ビジネス 2016//10/14

原発全廃等のエネルギー政策では先進的なドイツでは、国会の連邦参議で、2030年までに内燃エンジンのみを搭載した新車の販売禁止を求める決議を可決したそうです。(ハイブリッド、プラグイン車は可)

ただしこの決議は法的拘束力は無く、単に「求める決議」であるらしい。それに
この過激な案は、参議院の全会一致で決まったわけではない。有力州であるバイエルン州、およびバーデン=ヴュルテンベルク州の州首相は、反対意見を表明している。
とあり、バイエルン州はBMW、AUDIの本社と工場がある州、バーデン=ヴュルテンベルク州はDaimler社、つまりMercedes-Benzとポルシェの本社がある州です。つまり、自動車産業は反対、と言うわけ。

ちなみに、VWの最大株主であるニーダーザクセン州はガソリン車、ディーゼル車を葬るこの法案に賛成したとのこと。自動車会社の大株主が、ガソリン・ディーゼルエンジンを禁止する法律に賛成というところが、関西電力の大株主である大阪府が、原発停止を求めて関電を赤字経営に追い込んだ(自分が株主なのに配当がもらえないし株価が下がる)ことに似ていて、ある意味面白いですね。

このドイツ連邦政府の動きですが、EU議会に対しても同様の禁止提案をしているようです。欧州には市内のエンジン車走行を禁止にしようとしているノルウェー・オスロ市などの動きに賛同する都市もあることから、欧州全体がこの方向行くかもしれません。要注目です。

連邦政府は廃止、州政府は反対、メーカーは虎視眈々

そんな風にドイツ連邦政府は禁止の決議、州政府はそれに反対するなど、双方は逆を向いているし、現実のドイツ・自動車市場では電気自動車はさっぱり売れていません。
現在、ドイツで登録されている乗用車の総数は4385万台強で、そのうち電気自動車はたったの2万5000台。まだ0.1%にも満たない。これでは2020年までに100万台どころの話ではない。
しかも、現在走っている電気自動車の多くは、メーカーやディーラーが自ら登録したものだそうだ。有名人に格安で提供して、宣伝のために乗ってもらっているものもある。
ですが、エンジン車が敵視されつつある将来に向けてメーカーは、着実に手を打ってきています。

現在行われている(16日で終了する)2016パリモーターショーでは、Mercedes-Benzが新しいEVブランド、ジェネレーションEQを発表し、今後10年以内に販売するとプレスカンファレンスで発表しました。10年は最近の激しい変動に対しては長すぎる時間だが、ブランドを発表すると言うことは、単発の製品で終わらないということなのでしょう。

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画像引用:Autoblog

そして昨年のフランクフルト・モーターショー開催中に、ディーゼル不正問題で大騒ぎになったVW、フォルクスワーゲンは1年後のパリで、新しいEVである「I.D.」を発表し、1回の充電で400〜600kmの距離を走行可能な100%電気自動車(EV)として2020年に発売することを表明しました。そして、2025年までに100万台ものEV販売を目標にするとのこと。

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画像引用:Autoblog

そして今月、BMWのハラルド・クルーガー最高経営責任者(CEO)は「全てのブランドとモデルのEV化を組織的に進める」と発表しています。

というようにドイツメーカーは着々と、EVラインナップの拡大を図っています。その背景にはもちろんアメリカのEV専業メーカー、Teslaの影があるんでしょうね。既にアメリカでは、高級セダンとしての販売台数でベMercedes-BenzやBMWを脅かす存在になっていますので。

日本メーカーは大丈夫か

このような動きを見ていると、日本メーカーはそれに対する動きがあまり見受けられません。

トヨタは2050年にはガソリン車をほぼ全廃し、世界で販売する新車の走行時CO2排出量(平均)を2010年比で90%削減するという目標、「トヨタ環境チャレンジ2050」を昨年発表しましたが、35年後における話しなので実現は霧の中という感じでしょうか。(このチャレンジ目標を決めた人たちは2050年にはトヨタ社内に居ないでしょうし)

という懸念はありつつも、欧州でも日本でも今後、EVの普及は今までより進んでいくのでは無いかと思います。ちょっと、使い勝手等は試しておかないと、という気になってきますね。

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ニュースによると、2020年以降、ヘッドランプの自動点灯機能が義務化されるそうです。

国土交通省が自動車メーカーに対し、日没時などに車のヘッドライトが自動で点灯する「オートライト機能」の搭載を義務付けることが23日、わかった。平成32年度以降に発売する新型車から適用する。
義務化は、高齢化が進む中、薄暮時に歩行者が巻き込まれる事故などを減らすのが主な狙い。同省の交通政策を検討する有識者会議が6月に方針をまとめ、意見募集(パブリックコメント)を行った。同省は、道路運送車両法に基づく車の保安基準を来月改正する方針だ。
記事引用:産経ニュース 2016/9/23 

JAFの2014年の調査によると、暗くなる日没時点でヘッドランプを付けている人の割合は22.8%。日没から10分経ってようやく半分以上の72.7%がヘッドランプ点灯するようになってます。

JAF2014年調査 日の入り時のヘッドライト点灯率は僅か22.8%(こちらより下記画像引用)

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なぜ早めのヘッドランプ点灯が必要か

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それは日没時間帯の死亡事故が多いから。

日没前後の時間帯は夕暮れ空を創造してもらえば分かるように、暗くなったと言っても空はまだちょっと明るい状態。でも、地面というか路面は、太陽が落ちて真っ暗になっています。

つまり人間の目が空の明るさに慣れているために、路面がよく見えない状態です。

事実、日没の時間帯に死亡事故が多いことがデータで分かっています。下記の表は同じくJAFのホームページからですが、2011年からの3年間の交通死亡事故について、月別と発生時刻別に事故件数をまとめたもの。

赤い部分が一番事故が多い時間帯を示していますが、冬は17時、夏は19時ぐらいと日没時間と相関していることが分かります。

JAF Safety Light ヘッドライトの使い方 交通安全情報サイト(こちらより下記画像引用)

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視界の確保は安全の要

最初のニュースで書いた自動点灯機能の義務化は、2020年以降に発売されるフルモデルチェンジや新型車から適用されます。(マイナーチェンジは、国交省に届け出する車両型式の変更が伴わないので対象になりません。)

日本国内はだいたい8年ぐらいの保有期間で買い替えがされているので、2030年ぐらいにはほぼ自動点灯に切り替わっていると思いますが、今から14年後に普及する状況でドライバーの高齢化に間に合うのでしょうか?

と言うわけで、まずは自ら「早めのヘッドランプ点灯」で安全運転をすることが必要かと思います。

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