マツダ・ロードスターのATに試乗
先日、マツダの販売店で試乗する機会があったので乗ってきました。数少ない日本のオープンカーである、マツダロードスターです。今回の乗った試乗車は、グレードはS Special packageで、トランスミッションは6速AT。諸元表で車重を調べると1050kg。最近のクルマとしては、軽くできていますね。
エンジンは1.5Lガソリン自然吸気で、エンジン出力は131PS(96kW)、150Nmと、ターボやハイブリッドのスペックに見慣れると大人しい数字になってます。ちなみにお値段は、車両本体価格280万8000円です。
ハンドリングは爽快そのもの!
マツダの販売店で、幌を開けてオープン状態にして試乗開始です。すぐに国道1号に乗り、広い国道を流しながら、山道に向かいました。まず最初に感じたのが、ステアリング反応の良さ。
自分の乗っているSUVからロードスターに乗り換えたので、やっぱりハンドリングの反応の早いのがよく分かります。自分がステアリングを操作して、全く応答遅れが無くロードスターの向きが変わっていくのが、面白い!
少しの舵角でもスイスイが動いてくれる感じで、以前乗っていたトヨタMR-Sを思い出します。でも、MR-Sはエンジン位置がミッドシップのために怖いくらいステアリング反応が早かったので、それに比べるとロードスターは穏やかで、怖い感じはありませんでした。
深いコーナーで多くハンドルを回しても反応は素直ですし、国道1号線でトラックが作った轍やうねりなどにもステアリングを取られずに真っ直ぐ走る感じは、良く調整されているなぁ、と感じました。
そして当然ですが、オープンカーは爽快!風を感じて、空を見ながら走る感覚は、何事にも代えがたいですね。MR-Sで通勤していた時は、晴れていれば常に幌を開けて走っていたので、そのせいで両腕が日焼けしたことを思い出します。
エンジンは非力で、ATはレスポンス悪い
そのステアリングの良さに反して、山道に入ると気になったのがエンジンの非力さ。上り坂でアクセルをベタ踏みしても、なかなか加速せず1.5Lエンジンのトルクの小ささを感じます。4000回転とかまでエンジン回転数を引っ張ればそれなり加速するのですが、山道でその辺りの回転数を維持して走るには、レスポンスの良いトランスミッションが必要。
ですが、ロードスターの6速ATはレスポンスが悪く、その期待に応えるものでは無かったです。
アクセルペダルのキックダウンでも、パドルシフトやシフトレバーの+/-マニュアル操作でも、操作してから0.5秒ぐらいの応答遅れがあって、コーナーでシフトしたいタイミングから5m~10mぐらい遅れてシフトダウンしたりする印象。
シフトダウンする際はATが自動でブリッピングによる回転調整をしてくれるので、シフトショックによるクルマの姿勢変化はあまり無いのですが、コーナーが見えた時に思い描く自分が走りたいイメージとはタイミングが大きくずれてしまいます。
スポーツカーのトランスミッションとしては、もうちょっとレスポンスを早くしてくれないとロードスターの性格に合っていないと思います。
話しがちょっと変わりますが、国道一号線の信号待ちでもう一つ気になったことがあり、それはフロア振動。
アイドリング時にフロアやブレーキペダルが、ぶるぶる震える感じが体に伝わってくるのが、ちょっと気になりました。アイドリングストップが効いている時はもちろん震えませんが、ブレーキペダルを緩めるとエンジン始動するので、そのまま信号待ちしているとフロアから震えが伝わってくるという感じです。
調べて見るとロードスターはオープンカーなのでボディー剛性が低く、ゴルフやプリウスなどの最新の走りが良いと評判のクルマに比較すると、1/3程度の剛性しかありません。クルマ上部の骨格が無いので難しいとは思いますが、快適性が下がるフロア振動は抑えこんで欲しいところです。
オープンの爽快さは代えがたいが、モアパワー!
というわけで、スポーツカーとしてのエンジンと6速ATの出来にしっくり来なかったのですが、オープンカーとしての格好良さ、ハンドリングの良さはかなり良かったです。追加モデルで、ルーフが電動で動くロードスターRFが出たのですが、そちらはエンジンは2.0Lでトルクも20.4Nmとエンジン相応に大きくなっているので、走りやすいかと思います。
そしてスポーツカーとして乗るなら、間違いなくマニュアル・トランスミッション!
というのがロードスターについて、自分なりの結論でした。