クルマの行く末

エンジニア秀がクルマ業界動向や技術、スタイリング、マーケティングなどを分析とともに書いていくブログ

タグ:EV

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ドイツでは2030年にエンジン車の販売は無くなる?

参照記事:脱原発に続いてガソリン車「廃絶」へ!? ドイツの政策は矛盾だらけ 現代ビジネス 2016//10/14

原発全廃等のエネルギー政策では先進的なドイツでは、国会の連邦参議で、2030年までに内燃エンジンのみを搭載した新車の販売禁止を求める決議を可決したそうです。(ハイブリッド、プラグイン車は可)

ただしこの決議は法的拘束力は無く、単に「求める決議」であるらしい。それに
この過激な案は、参議院の全会一致で決まったわけではない。有力州であるバイエルン州、およびバーデン=ヴュルテンベルク州の州首相は、反対意見を表明している。
とあり、バイエルン州はBMW、AUDIの本社と工場がある州、バーデン=ヴュルテンベルク州はDaimler社、つまりMercedes-Benzとポルシェの本社がある州です。つまり、自動車産業は反対、と言うわけ。

ちなみに、VWの最大株主であるニーダーザクセン州はガソリン車、ディーゼル車を葬るこの法案に賛成したとのこと。自動車会社の大株主が、ガソリン・ディーゼルエンジンを禁止する法律に賛成というところが、関西電力の大株主である大阪府が、原発停止を求めて関電を赤字経営に追い込んだ(自分が株主なのに配当がもらえないし株価が下がる)ことに似ていて、ある意味面白いですね。

このドイツ連邦政府の動きですが、EU議会に対しても同様の禁止提案をしているようです。欧州には市内のエンジン車走行を禁止にしようとしているノルウェー・オスロ市などの動きに賛同する都市もあることから、欧州全体がこの方向行くかもしれません。要注目です。

連邦政府は廃止、州政府は反対、メーカーは虎視眈々

そんな風にドイツ連邦政府は禁止の決議、州政府はそれに反対するなど、双方は逆を向いているし、現実のドイツ・自動車市場では電気自動車はさっぱり売れていません。
現在、ドイツで登録されている乗用車の総数は4385万台強で、そのうち電気自動車はたったの2万5000台。まだ0.1%にも満たない。これでは2020年までに100万台どころの話ではない。
しかも、現在走っている電気自動車の多くは、メーカーやディーラーが自ら登録したものだそうだ。有名人に格安で提供して、宣伝のために乗ってもらっているものもある。
ですが、エンジン車が敵視されつつある将来に向けてメーカーは、着実に手を打ってきています。

現在行われている(16日で終了する)2016パリモーターショーでは、Mercedes-Benzが新しいEVブランド、ジェネレーションEQを発表し、今後10年以内に販売するとプレスカンファレンスで発表しました。10年は最近の激しい変動に対しては長すぎる時間だが、ブランドを発表すると言うことは、単発の製品で終わらないということなのでしょう。

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画像引用:Autoblog

そして昨年のフランクフルト・モーターショー開催中に、ディーゼル不正問題で大騒ぎになったVW、フォルクスワーゲンは1年後のパリで、新しいEVである「I.D.」を発表し、1回の充電で400〜600kmの距離を走行可能な100%電気自動車(EV)として2020年に発売することを表明しました。そして、2025年までに100万台ものEV販売を目標にするとのこと。

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画像引用:Autoblog

そして今月、BMWのハラルド・クルーガー最高経営責任者(CEO)は「全てのブランドとモデルのEV化を組織的に進める」と発表しています。

というようにドイツメーカーは着々と、EVラインナップの拡大を図っています。その背景にはもちろんアメリカのEV専業メーカー、Teslaの影があるんでしょうね。既にアメリカでは、高級セダンとしての販売台数でベMercedes-BenzやBMWを脅かす存在になっていますので。

日本メーカーは大丈夫か

このような動きを見ていると、日本メーカーはそれに対する動きがあまり見受けられません。

トヨタは2050年にはガソリン車をほぼ全廃し、世界で販売する新車の走行時CO2排出量(平均)を2010年比で90%削減するという目標、「トヨタ環境チャレンジ2050」を昨年発表しましたが、35年後における話しなので実現は霧の中という感じでしょうか。(このチャレンジ目標を決めた人たちは2050年にはトヨタ社内に居ないでしょうし)

という懸念はありつつも、欧州でも日本でも今後、EVの普及は今までより進んでいくのでは無いかと思います。ちょっと、使い勝手等は試しておかないと、という気になってきますね。

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メルセデスベンツが、パリモーターショーでAirbnbの様なC2Cでのカーシェアリングサービスプラットフォームを開発していることを発表しました。

参照記事:Autocar UK, Mercedes-Benz develops “Airbnb for cars” 2016/9/29

メルセデスベンツEVにC2Cカーシェアサービス

Airbnbと言えば、現在世界中を席巻している宿泊サービスプラットフォーム。ホテル等の宿泊業を行っていない一般人でも、自宅の空いてる部屋などで世界中から宿泊予約を受け付けることができ、実際に宿泊サービスを提供して対価を得られるシステムです。

そのようなCustomer to Customer(C2C)のサービスプラットフォームのクルマ版を、メルセデスベンツは自車のEV向けに開発しているとのこと。

アイデアは現在、スタートアップ会社Getaroundと共同でサンフランシスコで試験中。メルセデスはまた、今年後半に発売するドイツ国内向けのプログラムを開発しているそうです。

今回発表されたメルセデスベンツのEVブランド「EQ」は2020年までにクルマを発売する計画なので、発売と同時にフルサービスを提供する計画なのではないでしょうか。

高級自動車メーカーがサービスプラットフォームに本腰

最近は自動運転が騒がれて、特にビジネス系雑誌で自動車業界の将来像分析が書かれていますが、その論調は

「自動車製造・販売(=移動手段の販売)で収益を上げるビジネスモデルは崩れて、モビリティサービス(移動サービスの提供)で収益を上げるビジネスに移行する」

というもの。平たく言うと、人が自分で運転する為のクルマは売れなくなり、自動運転のタクシーやバス等の移動サービスを利用するようになる、ということ。

クルマを趣味性抜きで「経済性と利便性のみを考えた移動手段」として考えるとそうなるであろうというは納得しますが、そうではないところがクルマの面白いところ。

と思っていたら、高級車の代表格とも言えるメルセデスベンツ(Daimler社)のディーター・ツッチェ会長兼CEOがこんな事を言っており、びっくりしました。
これは他の自動車メーカーが持っていない、共有モビリティに向けた幅広いレベルでの専門化(によるサービス)です。また、電気自動車へのより多くの顧客を得るために非常に効果的な方法です。次の大きなステップは、巨大な潜在需要のあるピア・ツー・ピア・カーシェアリングです。車は1日平均で、ほぼ23時間駐車されています。なぜ所有者が利益を得られるよう、その余分な時間を使わないのでしょうか。 
高級車ブランドでさえ「保有する価値」より「余剰時間の収益化」に取り組む時代。

本当にクルマ社会が変わっていく気がします。


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BMWの電気自動車(EV)i3が、電池の改良を受けて航続距離が長くなりました。
今回の改良では走行可能距離を大幅に延長。リチウムイオンバッテリーのエネルギー密度を高め、サイズを変えることなく33kWhの大容量を実現することで、従来モデルより70%長い390km(JC08モード)という一充電走行可能距離を達成した。647ccの発電用エンジンを備えたレンジ・エクステンダー装備車では、511kmの距離を無給油、無充電で走行可能となっている。
記事引用:WebCG 2016/09/27
 電池の性能が良くなるだけで、70%も長く走れるようになるって凄いですね。
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国産のEVである日産リーフも昨年11月にマイナーチェンジで電池性能が向上し、24kwhから30kwhに25%容量が向上しました。
今回のマイナーチェンジでは、大容量30kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載したモデルを追加。新開発の30kWh駆動用バッテリーは、高容量の新材料を使用することにより、従来のバッテリーパックサイズを維持しながら、リチウムイオンの高充填化と、バッテリー内部抵抗の減少を実現したという。それによって、室内のスペースを損なうことなく航続距離が280km(JC08モード)と大幅に向上するとともに、急速充電では24kWhバッテリーと同様に約30分で80%までの充電(バッテリー残量警告等が点灯した時点から充電量80%までの目安。充電時間は急速充電器の仕様、環境温度等により異なる)が可能となった。
記事引用:Autoblog 2015/11/10 

電池でクルマの価値が変わる

電気自動車って今までは、「航続距離が短い」が一番の棄却理由になってなかなか売れなかった訳ですが、その状況が改善されつつあります。

そして、まだまだ電池の性能向上は進んでいきそうです。2018年には、現在より30%向上しそうとのこと。
オートモーティブエナジーサプライ(AESC)は、「第7回国際二次電池展」(2016年3月2~4日、東京ビッグサイト)において、日産自動車のハイブリッド車や電気自動車「リーフ」などで採用されているリチウムイオン電池を紹介した。電気自動車用リチウムイオン電池は2018年までにエネルギー密度を現状の1.3倍以上に向上し、日産自動車向けに供給する。「単純な比較は難しいが、電気自動車の走行距離を従来の1.5~2倍に伸ばせるのではないか」(同社の説明員)としている。
 記事引用:MONOist 2016/3/7
そうなると、ガソリン車と変わらない400~500kmぐらいの航続距離は確保できそうですね。それぐらい持つなら日常で使える、という人も多いかと思います。

つまり電池の性能で、EVというクルマの価値が「買っても良いかも」に変わる訳です。そのように欠点が性能向上で補われると、エンジンとは違うモーターによる低速からの加速感とか、静粛性とかがクローズアップされるのではないでしょうか。

車内空調技術のブレークスルーがあるか

その次にEVが必要な技術革新は、エアコンやヒーター対策でしょうか。カタログ燃費測定時は空調やオーディオは全てオフなので良い燃費が出ますが、実用上は全てオンですから街乗りじゃあ絶対に航続距離は短くなります。

そのためにはいかに電気を使わずに車内を快適にするか、に各社は知恵を絞っているところだと思います。その技術はガソリン車、ディーゼル車でも役に立ちますしね(エンジン車では目立たない技術ですが)。

これらの電池が改良されたEVの実用燃費(電費)がどれぐらいなのか、エアコン等の影響が気になりますね。情報があったら取り上げたいと思います。 

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ドイツの自動車メーカーAUDIが、発電できる画期的なサスペンションシステムを開発したそうです。
独アウディは2016年8月10日(ドイツ現地時間)、自動車のサスペンションを構成する新たなメカニズム「eROT」の開発に取り組んでいることを明らかにした。今回発表されたeROTは、自動車の足まわりにおける油圧式ダンパーに代わるもの。レバーアームやギアユニット、オルタネーターからなる「エレクトロメカニカルロータリーダンパー」と48ボルトの電源システムを組み合わせることで、路面からの入力に対応する。
出展:WebCG 2016/8/18ニュース
写真を見ると分かりますが、サスペンションアームとモーターがリンクで繋がっていて、ナックルの上下振動がモーターに入力するような構造になっています。このeROTの特徴を記事より引用すると、

伸び/縮みの減衰力設定が自由

このeROTは、ソフトウエアを使って任意のダンパー特性が得られるのがメリット。例えば、伸び側の減衰力は硬めとしつつ、乗り心地への影響が大きい縮み側のストロークはよりソフトに設定するなど、伸び側/縮み側のストロークを独立して設定できるようになる。
これはオーソドックスだけど、サスペンション設定の自由度的には嬉しいんでしょうね。最近は、スポーツ、コンフォート、エコなどドライブモードを変えられる車が増えてますから、それがエアサスや磁性流体ダンパーだけでなく、この構造でもできるようになったということ。

リヤサスのサスタワーが小型化

レイアウトの自由度の高さも利点のひとつで、リアサスペンションにeROTを採用した場合、システムのコンポーネンツを水平方向に配置できるため、伸縮式ショックアブソーバーを垂直に配置する従来方式よりも広い荷室容量が確保できる。
これもオーソドックスだけど、ワゴンとか商用車では重宝する技術です。

下の写真はトヨタ・プロボックスのサスペンション構造ですが、リヤサスペンションを見るとダンパーが後方に傾斜されて取り付けられています。この構造だと荷室は広くなるけど、上下振動の軸からダンパーがずれているので、ダンパーにとって最適な配置ではない(=乗り心地が良くない)ということ。

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サスペンションが発電する!これ注目!

加えてeROTは、サスペンションが上下動する際に生じる慣性エネルギーを、電力に変換する機能を持つ。ドイツで行われた公道テストでは、舗装状態の良い高速道路で3W、路面の荒れた一般道では613W、平均100~150Wの電力を回生したとのことで、CO2排出量では1km走行あたり最大3g削減される計算になるという。
これ凄いですね!従来サスペンションへの上下入力(振動)は、ダンパー粘性流体の熱エネルギーで捨てていたものを、電気エネルギーで回収するという発想。

ヨーロッパは石畳など凸凹の道路が多いので、そういう町中の道を走ると発電するというのは、高速よりも町中を走ることが多いであろうEVには最適ですね。

2017年にEVで搭載されるかも

記事では明確にいつと書かれていないですが、近く登場するであろう48Vシステムを搭載して車に向けて開発しているそうです。

いやー、こういう新しい発想、新しい技術を見るとわくわくしますね。早く登場して、体感してみたいものです。


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